F式アメリア

 ( これはスレのギャグ月間で見たいような話じゃなかったのか?…ちょとちょっと)
 ( うるさい、筆者もこんなはずじゃなかったとあせっている.)

   5.狩小屋

  雨を避けて入った狩小屋(猟師が 冬場だけ使うようなところ)で、火を起こし、二人
 は並んで腰を下ろし暖をとる。そとは雨。すっかり暗い。疲れのためか無言。
  責められているような気がして、沈黙に耐えられなくなったゼルが口をひらきかけた
 とき、肩にアメリアの重みを感じた.

     < ぎく!女のほうからアクションをおこすのか?>

 ゼルの戸惑いは、すぐに解けた。アメリアはすでに小さな寝息をたてていた。
 拍子抜け。「…ったく!」 (期待した?)

    ゆらゆらする火の光を瞳に映しながら、ゼルの独白
<…かつてレゾの手足として、盗賊の真似事もした。何人 (何匹?)もの配下の者を 
 使い、見つけ出すことなど不可能と言われた「賢者の石」もみつけた。ゾルフやロデ
 ィマスといった忠実な部下もいた。
  だが、こんなふうに、自分に全幅の信頼をおいて身を預けてくる少女ははじめてだ
 った。警戒心がないというのか…、いや、これは、彼女が多くの人間に愛されて育っ
 たことの証(あかし)だ>
 アメリアの体をそっと横にしながら、彼女の口から小さな寝言がもれるのを聞いた。
 
    「…とうさん…」 ちょっと微笑するゼル。<まだ子供だ>

  再び火にあたりながら、彼女をセイルーンへ送り届けてからのことを考える。
 <「賢者の石」すら探し出せたのだ.この身体を、元に戻す方法を見つけられないはず
   がない> 彼の瞳の奥で、青白い炎がゆれていた。
  自分の身体を元に戻す方法を探して、つまり自身のことでいっぱいだったゼルの心
 に、これまで他人を住まわせる余裕はなかった。
    それは、今も?そして、これからも…?
  横になろうとした時、ゼルはアメリアの異変に気がついた。
 苦痛に顔を歪めている。  「アメリア?アメリア!!」

   6.夢魔

  (アメリアの寝入りばなからスタート)(夢にSDとうさん登場)
 「父の娘」の独白
   (とうさんのそばにいるときが、いちばん安心できる、いちばん落ち着く、
    いちばん自由でいられる、いちばん「わたし」でいられる…はずだったのに
         − 急転直下 − (SDとうさんに代わってSDゼル登場)
   (ゼルガディスさんは、暗いし、勝手だし、自分のことしか考えてないし、
                <…おいおい、と、SDゼルくんつぶやく>
   (おまけにちっとも私のことを見てくれないし…)
   (それなのに、どうして私はあんな人を好きになっちゃたんだろう…)
   ( あれ? 私ったら、何を言ってるんだろ?)
         −と、誰かが彼女を呼ぶ声に、彼女の思考は中断した。

 見ると、女の子がしょんぼりしている。それもアメリアにそっくりな女の子だ。
 あれ?と、思ったら、胸がない?まるでアメリアの男の子版…この子、男の子だ!。
 なんだか変に親しみを感じて話をすると、その子は自分の身体がいやなのだと言う
  (どうして?わたしはうらやましいよ)
  (じゃあ、貴方の身体をぼくにちょうだい、ぼくの身体を貴方にあげるよ、ね?)
  (ええっ?) 
  (ねえ、いいじゃないか) 男の子の手は、アメリアをつかんで離そうとしない。
  (いたい!いや!)  −注・男の子は、フィブリゾ君の声でお願いします−

            「アメリア!!!」

  アメリアがゼルの声にふりむいたとき、すでにゼルは泥の海(!?)の中に、胸から
 下がつかり、もがいているような状態だった。  「ゼルガディスさん!?」
  男の子のほうをふりむくと−それ−は、ゼルの身体を飲み込もうとしているものと地
 続きの、赤褐色の泥のような…蜘蛛の糸を大量に練り合せればかくやといういうような
 夢魔の姿だった。
  「ゼルガディスさん!!」ゼルよりも自分のほうが、両腕が自由になる状態がみてと
 れた。(やはり重いほうが沈むのが早い…などと考えている場合ではない) 
            「…エルメキア…」
  アメリアが呪を唱えようとしたとき、夢魔は、彼女にもっとも近しいものの姿を借りて、
 その矛先をかわそうとした。アメリアは思わず叫んだ。

            「とうさん!?!」

  幻。夢魔のつくった幻。しかし、アメリアの印を結ぶ手の動きが鈍った。
          すでにゼルは、のみこまれようとしている。
   (目をつむって“閃槍光”を放てば…
    だめ、そんな、なまくらな光に力があるはずが ない!)
 アメリアは何事かを決心するかのようにほんの一瞬眼をつむったが、見開いた目に 
 迷いはなかった。彼女の父−を映し出した夢魔−にむかって呪を放った。
 
          「 エルメキア・ランンス!!! 」
 
 夜の闇の中、狩小屋の窓から、隙間から光があふれた後、再びそこは静寂に包まれ 
 た。ゼルもアメリアも眠っていた。
                       足元には焼け焦げた蟲の死体が一つ。

   7. アメリア 復活

 昨夜とはうってかわった晴天の下で、アメリアの悪人征伐の声が響いた。
 「天に代わって悪を討つ!」 魔法も復活して、自力で正義の実現に勤めている。
      (やれやれ…)安堵するゼル。
           二人とも、昨夜の夢を覚えていない。
 アメリアにいたっては「 昨夜はよく眠れた☆ ☆ ☆ ゼルガディスさんを枕にして
 悪かったかな?」と、きたもんだ。
  セイルーンが視界に入ってきたところでアメリアはゼルに礼を言った。
 アメリア「 なんか私、今回、助けてもらってばかりですね。」
 ゼル  「(まるでいつもは助けてばかりいるみたいなセリフだな)(と思ったが、
       言わない) … 」
 アメ  「 なんか言いました?」
 ゼル  「 …その、よくわからないが、昨日は悪かった」
 アメ  「 え? 」
 ゼル  「女だからとか…なんとか…その…」
 アメ  「いいんです。私は女だから魔法が使えない日もあって当然なんです。
      ちょっと悔しいけど」
      (そう言った時のアメリアの顔は、いつもより、少しきれいな気がする、
        とゼルには感じられた、)
 ゼル  「オレは‥アメリアが男でなくて‥よかったと思うが」(小さい声で)
 アメ  「 え、何ですか?もう一度言ってください」
 ゼル  「 なんでもない 」
 アメ  「 はっきり言ってください!」 
 ゼル  「 行くぞ!」(照れ隠しに歩を早めるゼル)
  (からかうようになおも同じことを聞くアメリアの声が一緒に遠ざかっていく)
  (肝心なことは聞こえなかったという、物語の「お約束」でしょうか、
   それとも聞こえていたけどゼルをからかいたくて聞こえなかったフリをしていた
   のでしょうか…それは秘密です) 

               エピローグ

 セイルーンでリナたちと合流する。リナはもう一度同じことを聞いてみることにした。
 リナ 「 もしもフィルさんとゼルが、それぞれドラゴンにたべられようとしたら(食べ
      るわけがないって分っているけど、ほかに適当なたとえがないんだもん、と
      リナ)、どっちを助ける?」
 アメ 「そうですね、先にゼルガディスさんを助けて、一緒にとうさんを助けます。」
 リナ 「???まあ、いっか」
                      おわり
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