あれこれ後書き
じつをいいますと…
以前、「魔法をかけられる前のゼルとレゾに蜜月があったはずだ」と想定したものの、
子ども(ゼル)にとってレゾが人間関係のすべてであり、なおかつゼルがレゾの聖人君子の
面しか知らなかった…とした場合には、レゾに魔法をかけられた時、ゼルは自分を立て
なおすことがで出来ないのでは…と、ひっかかっていました。
・ゼルが、魔法をかけられても自分を立てなおせるだけの強さを持つには?
・ゼルを、不屈で順応性のある自我にするには…?
・レゾに魔法をかけられる前から、ゼルはゼルだったことにするには…?
そのためには
・ゼルは魔法をかけられる前から、レゾの魔道士としての面や怖さも知っていた。
・ゼルにとってレゾ邸(ここでは「広い家に取り残された子ども」のイメージだから)以外での、人間関係を
培える場所,アジール(隠れ家)避難場所,クッションのようなところがあるといいなと…
そだ、アニメでは名前しか出てこないルナン先生。
また、ルナン宅の描写を考えながら、「あっ この家の外側と内側の落差が大きいふうにして、お城と
そこに住む人間の落差も大きくして、それを書きこむことができれば、それがレゾの、抑制された表の
顔と内面についての落差の隠喩になるな」と…頭ではわかってても、これが書きこむ限界です。
・ヒーリングの話は表向きは「呪いの解き方を探しに行く」なので、呪いに関する話がいい。
・レゾが、子ども(ゼル)の中に、将来自分の役に立つであろう資質を見出す伏線があるといいな。
…などと頭の中の推理帖に書きこみながら、運よくつながったエピソードによる話でした。(ぜーはー)
ゼルが強くなりたいと思うきっかけであり…
レゾに裏切られること(それまで知らなかった面を知らされること)に対して免疫がついたと…
魔法の法則を知らないので勝手につくった設定は、相手の真実の名前を知ることが相手を支配することに
通じる法則があるとか、なにかで読んだことをヒントに。
QPさんの「合成獣…」のように、魔道書を探してるという設定も借りました。
ヒーリングの旅全体は無理なんで、この話だけでも書いてみようと…。
レゾの語った御伽噺は、アラビアの昔話の中で、老人が魔神に語って聞かせる話(劇中劇みたいなもの)
のひとつで、それに数行加えました。
めげずに読んで下さった方に、お礼申し上げます。どうもありがとうございました。